君が嫌い
『私があんたの為に特別にいいお店を予約するわ。ちょっと待っててね。』


『おいおい、ちょっと待ってよ。俺はお前と酒を飲む為に店に電話しろなんて一言も言ってないじゃん。』


『私はそう聞こえたからいいの。あんたは私についてくればいいの。』


もうこりゃダメだな。
諦めがつき彼女に鋭い視線を送る。


一瞬彼女の肩がビクッと震えたのを確認した。


『なによ、文句でもあるわけ?』


それに負けじと彼女の視線も鋭くなる。


今の2人の周りの空気は一触即発の状態だった。
そして俺の方から口火を切る。


『俺お前の事嫌いって言ったよな。何で俺が嫌いなお前の為に自分の時間を使わないといけないわけ?』


『私あんたに何か怒らせるような事したかしら?ビンタされた時も思ってたけどあんたのその態度気に入らないのよね。謝りなさいよ、あんたが謝るまで絶対に許さないから。』


むかつく。
やっぱり分かり合えないんだ。

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