君が嫌い
第2部 大嫌いなのに食事会
チリリリリリ!チリリリリリ!
無造作に鳴り響く目覚まし時計の音で目覚める。


『はぁ……。』


眠い。


事件と呼ぶには大袈裟かもしれないけど、あの日を境に俺の精神は疲れ果てている。


事件とは、あの女性と出会った日の事。


事件のあった次の日、お店に直接連絡して謝まった。
自分の中で謝らなくてはと思い行動に移した。


しかしスタッフさんは俺が何を言っているのか理解していないようで上の空だった。


彼女の気遣いなのか、それとも自分のプライドが許さなかったのか知らない。


だけど一度は諦めていた店に再び通えると思うと幸福感でいっぱいだった。


正直あの時の記憶は殆ど覚えていない。
覚えている事と言えば、ビンタしてしまった事、蔑だって事と物凄く嫌いだって事くらい。

< 36 / 145 >

この作品をシェア

pagetop