君が嫌い
『なら勝負しよう。』


『……勝負?』


『俺と君、どっちが最後までその気持ちを持っていられるか。負けた方はその人の言うことを1つ聞かなければいけない。俺が勝てば君とは今後2度と会わない。』


『私が勝てば勝也の友達として認めてくれるってこと?』


『そういうこと。』


『分かった。私絶対に負けないから。』


これで本当に良かったのだろうか。
この結果次第で彼女は今よりも傷ついてしまうのではないだろうか。


胸がまた潰されそうなほど苦しくなる。


でも俺も負けない、自分の心に嘘はつきたくないから。


『それじゃあ決行は明日から。だから今日はもう家に帰って……』


『スピー、スピー、スピー。むにゃむにゃ。』


だからさ、何度も言ってるじゃん。


『俺の家で寝るなーーーー!!そしてさっさと帰れーーーー!!』


その後、隣の部屋に住んでいるおっさんに注意されたのはここだけの話。

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