凶器は壊れてしまったから
第2章 〜汚れた教室と真実〜
今日から6月になる。
教室の前に行くと何かが聞こえた。

「うぜーんだよ!!
 お前なんか!お前なんか!!」

真希の声がする。

びくりとしてすぐに教室に入ると
真希と桜木さんが口喧嘩をしていた。
真希は今にも桜木さんに襲いかかりそうな勢いでクラスの女子が真希を止めている。

何があったのかわからずに
私はその場に立ちすくんでいた。
五十嵐!と呼ぶ声が聞こえて我に帰る。
堀悠斗が私の名を呼んでいた。

「堀…!何があったの!?」

「見ろよ、桜木の手」

堀に言われて桜木さんの手を見た。

「えっ……」

桜木さんの手は真っ赤に染っていた。
赤い液が滴り落ちる。

「赤井がやったんだってよ。
 理由はよく知らないけどな。」

先生!と呼ぶ声が聞こえる。
ぱたぱたと足音が次第に増えてゆき
3人の先生が来た。

「桜木さん!?!?貴方!手が!?」

担任の松村先生が桜木さんの元へ駆け寄る

「早く保健室に…!」

松村先生は真っ白なハンカチを取り出し
桜木さんの手に巻き付けた。

そのハンカチは綺麗な赤色に染まってゆく

「待てよ!!!!桜木!!
 お前だけはっっ!!」

そう言った真希の顔は
涙でぐちゃぐちゃだった。

先生達は真希を連れて職員室に向かった。
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