too much
「あ…!」



喫茶店の前に立つ平川さんを見た瞬間、僕のそんな想いは飛散した。
この胸の高鳴りは、愛に間違いない。
平川さんの姿を見ただけで、こんなにときめいてしまうんだから…



そう…僕は彼女に惹かれてる。
そして、この想いを止めることは出来ない。



ファミレスまでの道程、二人で並んで歩けるだけでも僕は浮かれていた。
何もかもが輝いて見える…そんな気分だ。



本当はもっと落ち着いた、雰囲気のあるお店に行きたいんだけど、今日はきっと話が長くなる。
だから、長居のしやすいファミレスを選んだんだ。



平川さんは、どうやら昨夜のことをよく覚えていないようだった。
やっぱり、かなり酔っぱらってたんだな。
でも、それで良い。
昨日ちょっと乱れたことは、僕だけの胸に収めておこう。



「それで…今日は、これからのことを話すために呼ばれたんですね?」

「はい…そうです。」



ちょうどそこへオーダーした料理が届いて、話は中断された。
< 114 / 141 >

この作品をシェア

pagetop