too much
「……わかりました。
でも、絶対に無理はしないで下さいね。
辛くなったら、どんなことでもすぐに僕に話して下さい。」

「は、はいっ!」



今の私は、まさに、千切れる程しっぽを振る白い子犬だ。
島本さんにちょっと優しくされるだけで、どうしてこんなに嬉しいんだろう?



「じゃあ、僕もしばらくはあゆさんに何も言わず、今まで通りに接することにします。」

「はい、私もあゆや相川さんにはいつも通りに接します。」



島本さんって不思議な人だ。
会えば会う程、なにか惹かれてしまう。



なのに、どうして合コンの時はなんとも感じなかったんだろう?
あの時、島本さんに惹かれていれば、こんなに悩むことはなかったかもしれないのに…



あゆは、初めて会った時から、島本さんの魅力に気付いてたんだよね。



いや、違う…
あゆは、島本さんをただの恋愛対象としてではなく、堅実な結婚相手として選んだんだ。
でも、それから先はあゆだって島本さんに惹かれたかもしれない。



(だって、魅力的な人だもん、島本さんって…)



結局、その後は他愛ない話をしながら、ケーキを食べたりして…
何でもないその時間が、私にはとても心地良かった。
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