too much
「さ、ここに座って!」

小野田さんに、隣の席に座るよう促され…
僕は、ちょっと気恥ずかしい気分で、席に座った。



「よぉっ!」

相川が片手を上げた。



「君も来てたんだ…」

「まぁな、俺の方が10分くらい早かったかな。」

「え?」

「俺も今日買い物に来てて、美穂ちゃんにLINEしたらすぐ近くにいるってことがわかったから、押し掛けて来たんだ。」

「そうだったんだ…」



相川って、社交的な感じするけど、意外と休みの日はひとりで出かけたりするんだな。
っていうか、彼に付き合ってる人がいなかったっていうのでさえ、僕は知らなかった。



「島本さん、これからの予定は?」

「えっ、別にないけど…」

「じゃあ、四人でカラオケで決まりだな!
……てか、あゆちん、『島本さん』はないんじゃない?」

「えっ!?」

「島本…下の名前、なんだっけ?」

「雪彦だけど…」

「じゃあ、あゆちん…これからは『島本さん』じゃなくて『ユキ』って呼びなよ。
島本は、『あゆちん』でも『あゆちゃん』でも良いんじゃない?」

相川が勝手なことを言い出すから、僕は苦笑いをするしかなかった。
そんないきなり『あゆちん』なんて呼べるものじゃない。
小野田さんだって、きっとそうだ。
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