too much
「あ、あの、島本さん…」

俯いたまま、平川さんが呟いた。



「な、なんですか?」

「男の人って、やっぱり気の利く女性が好きですよね?」

「まぁ…確かにそういう男性が多いかもしれませんね。」

「私の友達に……
気が利かなくて、ずぼらな人がいるんです。
面倒臭がりで、彼氏になにかやってあげるより、やってもらう方が好きで…
そういうのって、やっぱりだめですよ、ね?」



いや…全然だめじゃない!
そういう女の子は、まさに僕の理想のタイプだ。
何でもテキパキこなす子には何の魅力も感じない。
何も出来なければできない程、可愛くてたまらなくなって、僕はなんでもやってあげたい気分になるんだから。



でも、そんなことは言えない。
僕は、その性格のせいでいつもフラれてばかりだった。
そんな自分に嫌気がさして、生まれ変わるって誓ったばかりなんだ。



だから本音は言えない…だけど…



「だめだとは思いませんよ。
僕の友人に…いるんですよ。
尽くしてもらうよりも彼女に尽くすのがとても好きだって人が。
彼女が喜んでくれるのを見るだけで、すごく幸せになるんです…あ、幸せになるんだそうです。」

危ない、危ない…つい言い間違えてしまって、焦って訂正した。
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