ｔｏｏ ｍｕｃｈ

「そんな人がいらっしゃるんですか…！？」

「はい、だから、平川さんのお友達も大丈夫ですよ。
でも…そういう人と巡り合えるかどうかっていうのが問題ですよね。
僕の友達も…最初は良いらしいんですが、しばらくすると重いだのなんだの言われて、いつもフラれてしまうそうです。」

「そうなんですか…お気の毒に…」



そう言われて、なんだか癒された気がした。
もしかしたら、平川さんはそんな『友人』のことを憐れんでいるだけなのかもしれないけど…
でも、否定されなかったことがなんだか嬉しかった。



（あ…だったら、僕がその人を紹介してもらえば…）



そんなことを考えてしまって、僕は落胆した。



なんてことだ…僕は全然変われてないじゃないか。
合コンに行って、あゆさんっていう素敵な人と巡り合ったっていうのに、僕はやっぱり前の僕のままだ。
あゆさんとの恋愛に、新しい僕のスタートに向かって頑張るつもりだったのに…
その上、平川さんのことが好きだって気付いたばかりだっていうのに、平川さんの友達に関心を持ってしまうなんて…



（最低だ…僕は、最低の男だ！ろくでなしだ！）



僕は自分で自分をぶん殴ってやりたいような気分だった。