too much
「ユキ~!美穂~!」



あゆさんが手を振りながら駆けて来た。
その後ろから、相川も走って来る。



「お待たせ…ってか、あんた達、ずっとここにいたの?」

「うん、なんかもう疲れたっていうか…
並ぶの飽きたし。」

「それで、二人でコーヒー飲んでたんだ…」



相川のその言葉に、なんだか胸がドキッと高鳴った。
彼は、別に、僕達のことを疑ったわけではないだろうけど…
そう、考え過ぎだ。



(落ち着け……)



「観覧車、どうだった?」

僕は平静を装い、そんなことを質問した。



「うん、楽しかった。
残念ながら海は見れなかったけど、夜景がすっごく綺麗だったよ。」

「観覧車のイルミネーションも綺麗だったよ。」

「本当、綺麗だね。」

観覧車を見上げながら、あゆさんが呟いた。



「あ、あゆ達もコーヒー、飲む?
買って来ようか?」

「ううん、もう良いよ。」

「じゃあ、そろそろ帰ろうか…?」



閉園時間はもうすぐだ。
僕達は、出口に向かって歩き出した。
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