too much
「じゃあ、またな!」

今日は、相川が最初に降りた。

相川は電車が動き出すまでホームにいて、僕達に手を振ってくれた。
電車に残った僕達三人は、並んで腰掛け、他愛ない会話を交わしていた。



「それにしても今日は目一杯遊んだよね。
明日、起きれるかな?」

「私達ももう若いとは言えない年だもんね。」

「確かに。若い頃とはなんか疲れ方が違うよね。」



平川さんは何もなかったような顔をして、あゆさんと喋ってる。
まるで、さっきのことが幻だったみたいだ。



「じゃあ、また明日ね!」



平川さんは電車を降りると、慌ただしく駆けて行った。
相川みたいに見送りもしてくれないんだ。
さっきの平川さんとのことがますます夢みたいに思えて来て、なんだか悲しかった。



「あぁ、疲れた…眠くなって来ちゃった。
今日ははしゃぎ過ぎたかも。」

そう言って、あゆさんは僕の隣でそっと目を閉じる。



ガタゴトと揺れる電車に身を任せるうちに、電車は隣の駅に着いた。



「じゃあ、気を付けてね。」

「お疲れ様~…」



電車は滑るように走り出す。
車内に残るあゆさんに手を振って、僕は改札に向かった。
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