‐部恋。 Another Story‐
「…あたし、覚えてるよ。
健ちゃんに
抱き締められたこと。
ちゃんと…覚えてる。
…あの時は悩んでて
勝手に1人で
落ち込んでたし、
けど健ちゃんに
励まされたんだよ?」
彼女は一生懸命に
いろんな言葉を捜して
俺の胸の中で話す。
「…健ちゃんには
すごく、すごく
感謝してる。」
感謝なんかじゃない。
とにかく俺の気持ちに
気付いてよ。
俺は言いたいことが
止まらなかった。
遠回しに
告白してるようなもん。
彼女は困りながらも、
ちゃんと反応してくれた。