桔梗
「てかそんなこと言ってさ、智夏は将也くんとどうなったの?」
「ああ、あれ?言ってなかったっけ?
付き合ったよん」
聞かなくても予想はついてたけど。
嬉しそうに携帯のホーム画面を見せてくる智夏。
仲の良さげな2人のプリクラが設定されていた。
「よかったじゃん!
さすが狙った獲物は逃さないね」
「でしょ〜。さすが私!今回はちゃんと長続きできるように頑張ろうと思って」
自分の携帯をみて、頬を綻ばせる。
これまで複数人と付き合ってきたけど、なかなか長続きしないタイプだった智夏。
こんなふうに見えて意外と一途だから、何故長続きしないのか不思議だった。
「幸隆くんじゃないけどさ、将也もチャラそうに見えて意外としっかりしてんの。今までの誰よりも誠実だし」
幸せそうにそう話す智夏をみて、私も素直に嬉しいと思った。
「そうなんだ。よかったね。
頑張ってよ!いつでも話聞くから!」
「うん、ありがと!私も将也に幸隆くんのこといろいろ聞いといてあげるね」
なんて、楽しそうに茶化す智夏の頬を両手で挟み込んで制した。