桔梗
「あ、初めまして。桔子です」
「桔子ちゃん?かわいいね」
うわ、チャラい…
可愛らしい笑顔が、チャラさに磨きをかけてる。
だけどやっぱり、なんとなくクールなオーラを感じる。
「俺、幸隆(ゆきたか)。今日はハブられ者同士よろしく」
「よろしくお願いします…」
そう冗談めかして笑う幸隆くん。
愛想はとてもいい。だけど、その綺麗な笑顔に苦笑いしか返せない私。
普通だったらチャンスだからっていろいろアピールする状況なんだろうけど、私には到底できない。
チャラ男が好みじゃないっていうのもあるけど、単純にこういう合コンみたいなのは苦手だ。
…___
「楽しくない?」
料理もいくつか運ばれてきて、結構な時間が経った。
こういう場が苦手な私は、ひたすら食べながらみんなの話を聞いていた。
するとまた幸隆くんに顔を覗かれた。
「いや、まあ」
「こういう合コンみたいなの、苦手?」
私が頷くと「俺も」と笑う幸隆くん。
絶対ウソだ。