少女に野獣。
チクリとした痛みが、首筋から肩へと降りていく


やめて、、


そんな短い言葉さえ言えない自分がもどかしい…


「ッ…ンッ」


こんな、変な"音"は勝手に出てくるのに…


流れに身を任せることしか出来なかったけど、そうもいってられなくなった


糸夜さんの手が、私の胸に触れたから


「ッ……ッ!!」


本当にやめて欲しくて、脇下へ唇を寄せる彼に必死に訴えた


約束しますから…


生徒会の皆さんには近付かないから、もうこれ以上は…


「……約束、出来る?」


顔を上げた彼に、力なく頷いたけれど、、


「美依恋、、
遅いよ……もう、引き返せない」


「ッ……ンッ!」


一瞬、何が起こったのか分からなかった


嘘……


「ッ…!!」


幾度となく私の口内を好き勝手していたザラついた舌で、今度はあろうことか胸の先端を口に含んだまま刺激しだした


何で…こんなこと……


ネットリと動く度に、私の意志とは関係なく体がびくついてしまう


「ハァ、ッ…ンッ」


頭がおかしくなりそう


抵抗する余裕ゆら今はなく、彼にされるがまま…


彼の唇は飽きることなくそこを刺激し、今度は右手を使って攻めてくる


嫌だ…


もう嫌……


「ッ…ヒクッ……ッ」


こんな状況にも、こんなことをする糸夜さんにも、全てに納得がいかない


それに、彼が怖い…


知らない人みたい


「泣いても、やめてあげられない」


苦しそうな表情でそう言い切った


辛いのは私なのに…


薄暗い中で見えた糸夜さんの瞳は、前に見たギラギラ光る街の輝きよりもギラついていて、見ていると吸い込まれそうになる


そして悟った


もうどうしようもない


抵抗も思考も、何もかもを放棄した


どうせ、逃げられない…


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