Not Without Your Sunshine
始業式の帰り道、私は遠い親戚でもあり、とても仲の良いともでもある大野志帆と新しいクラスの話をしていた。私の学校には大野という苗字は私と志帆の2人がいる。また、「しほ」という名も志帆と詩穂の2人がいるため、ややこしくならないように私は苗字と名前の頭文字を取って大志と呼んでいる。もちろん私以外にもそう呼んでいる人はいる。
大志のいる1組は賑やかそうなメンバーがたくさん集まっている組なのだが、担任の水谷先生が恐いため皆んな静かにしているんだとか。私はこっちのクラスは結構賑やかで楽しそうという話をするといいなあと言って羨ましがっていた。私が出席番号順が前の大崎と今年初めてのクラスになったことを言うと、
「去年私一緒のクラスだったけど、結構女子に人気あったよ。皆んな優しくてかっこいいって言ってる。サッカー出来るし勉強も出来るし。今だって少なくとも3人くらいの女子が大崎のこと好きって噂だよ。去年の修学旅行の新幹線の席だって渡辺さんが座ってたよ。」
「えっ?!うちらのクラスでは誰も男女隣同士で座らなかったよ。」
私は目を見開いて驚いた。
「私らのクラスだってそこの渡辺さんと大崎だけだよ、男女で座ってたのは。渡辺さんがどうしても大崎の隣に座りたいって班の人にお願いしたんだって。」
へえ、と適当に返事をしつつも内心では、色んなことに消極的なイメージの渡辺さんがそう頼んだことが意外でとても驚いし、感心してしまった。
そんなきんなで大崎について良いことを大志から聞いていたのだが、今私の真隣にいる大崎は何一つその話に当てはまっていない。こいつは人によって態度を変えるのだろうか?私に対しては優しさのかけらもないではないか。その上全くかっこいいとも思わないし思えない。かっこいいと言っていた人達の目はがたして本当に正常なのであろうか?
あれこれ考えているうちにいつの間にかクラスの皆んなが席についていた。先生が移動の指示を出すと皆ガタガタと一斉に椅子を机に上げ、移動することになった。教室中大混雑になり、特に中央なかなか進まず右往左往している人が多い。私もそのうちの一人だ。
気長に教室の渋滞を待ちようやく新たな席にたどり着いた。久し振りの窓側の席。いつも廊下側の席が多かったため、なんだかここから見る教室の景色が不思議な感じでもあり、新鮮でもある。窓の外を見るとグラウンド、テニスコート、プール、そして国道が見える。少し風が吹いているのか、残り少ない桜の花びらが美しくひらひらと散っている。私はやはり咲いている桜より散る桜の方が好きだ。
よく考えると私はある意味良い席を当てたという気がしてきた。授業中暇な時は窓の外も眺められるし、私の好きな読書もここの席からでは先生に見られないではないか。そのように考えていると、先ほど大崎のせいで少し苛立っていた自分を落ち着かせることができた。
その後掃除場所や係、委員会などを決めることになった。 私のこだわりで掃除場所も委員会も、3年間同じものを貫き通したかったため、お決まりの教室掃除とボランティア委員に立候補した。
大志のいる1組は賑やかそうなメンバーがたくさん集まっている組なのだが、担任の水谷先生が恐いため皆んな静かにしているんだとか。私はこっちのクラスは結構賑やかで楽しそうという話をするといいなあと言って羨ましがっていた。私が出席番号順が前の大崎と今年初めてのクラスになったことを言うと、
「去年私一緒のクラスだったけど、結構女子に人気あったよ。皆んな優しくてかっこいいって言ってる。サッカー出来るし勉強も出来るし。今だって少なくとも3人くらいの女子が大崎のこと好きって噂だよ。去年の修学旅行の新幹線の席だって渡辺さんが座ってたよ。」
「えっ?!うちらのクラスでは誰も男女隣同士で座らなかったよ。」
私は目を見開いて驚いた。
「私らのクラスだってそこの渡辺さんと大崎だけだよ、男女で座ってたのは。渡辺さんがどうしても大崎の隣に座りたいって班の人にお願いしたんだって。」
へえ、と適当に返事をしつつも内心では、色んなことに消極的なイメージの渡辺さんがそう頼んだことが意外でとても驚いし、感心してしまった。
そんなきんなで大崎について良いことを大志から聞いていたのだが、今私の真隣にいる大崎は何一つその話に当てはまっていない。こいつは人によって態度を変えるのだろうか?私に対しては優しさのかけらもないではないか。その上全くかっこいいとも思わないし思えない。かっこいいと言っていた人達の目はがたして本当に正常なのであろうか?
あれこれ考えているうちにいつの間にかクラスの皆んなが席についていた。先生が移動の指示を出すと皆ガタガタと一斉に椅子を机に上げ、移動することになった。教室中大混雑になり、特に中央なかなか進まず右往左往している人が多い。私もそのうちの一人だ。
気長に教室の渋滞を待ちようやく新たな席にたどり着いた。久し振りの窓側の席。いつも廊下側の席が多かったため、なんだかここから見る教室の景色が不思議な感じでもあり、新鮮でもある。窓の外を見るとグラウンド、テニスコート、プール、そして国道が見える。少し風が吹いているのか、残り少ない桜の花びらが美しくひらひらと散っている。私はやはり咲いている桜より散る桜の方が好きだ。
よく考えると私はある意味良い席を当てたという気がしてきた。授業中暇な時は窓の外も眺められるし、私の好きな読書もここの席からでは先生に見られないではないか。そのように考えていると、先ほど大崎のせいで少し苛立っていた自分を落ち着かせることができた。
その後掃除場所や係、委員会などを決めることになった。 私のこだわりで掃除場所も委員会も、3年間同じものを貫き通したかったため、お決まりの教室掃除とボランティア委員に立候補した。