Not Without Your Sunshine

私は一回で自分の気がすむように綺麗に畳めなかったので、自分の気がすむまで何度も畳直した。

次の日、なかなか春斗に傘を返せずにいる私を見て大志は、
「告白前の女子かよ。」
と言った。
「だってこんな経験今までしたことないし！どうやって返せばいいの？緊張しすぎて自然に返せないよ！」
大志は爆笑していたが、帰り際狙って返せば、と意外といいアドバイスをいただいたのでそれを採用することにした。しかし私はそのまま緊張のあまりその日も、次の日も返すことができなかった。
結局私は返すのが借りた３日後になってしまった。私は帰りの会が終わり、今度こそと覚悟を決め、教室を出る春斗の後を追った。下駄箱に着くと私は勇気を振り絞って言った。
「春斗！あのっ、これ...傘、ありがとう。助かった。返すの遅れてごめんね。」
「別にいいよ。どういたしまして。」
向けられた笑顔に凝視できず、私は渡した後じゃあねと言い、そそくさと大志のもとへ行った。
傘を返すだけでもこれだけ緊張するのに、告白なんてしたらきっと心臓がもたないはずだ。そう考えると私は一生告白できない気がした。