ラストクリスマス
「ロイ、よく聞きなさい。おかあさんもおとうさんも、もうこの世にはいないんだ。」



「え?でも、おとうさんはクリスマスに帰ってくるって言ってたよ!ねえ、オリバーぼくたちはこれからおとうさんの所に行くんだもんね!」



おじいちゃんは更に困った顔をして意を決したようにぼくにこんなことを言った。



「ロイ、気の毒だけど君のおとうさんとおかあさんは死んでしまったんだよ。」



「死んだ...?ウソだよ。そんなウソぼくは信じない!オリバーもそうだよね!」



「ロイ、ぼく実は見たんだ。母さんのエプロンをオオカミがくわえてた。父さんのことだって、本当はうすうす気づいてたけど信じたくなくて、でもソリをもらったから会いに行こうって思った。だけど、おじいちゃんはこんな嘘つかない。だから、受け入れるしかないんだ。」



「いやだ、いやだ...やだやだやだやだ!オリバーもおじいちゃんもだいっきらいだ!」




そういうなり、ぼくは外にとびだした。
ソリに乗って、ぼくはおとうさんを見つけるんだ。
そして、2人にぎゃふんと言わせるんだ。
死んでなんかいない。
おかあさんもきっと家でぼくらとおとうさんの帰りをまっている。


だから、おとうさんをつれて一緒に家に帰るんだ。
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