生徒に恋した教師
コンコン

「失礼します。」

「近所の方からご連絡がありまして。
尾形先生とうちの高校の制服を着た
女子生徒が抱き合っている…と。」

…見られてたってことか。

ドォッン

え…なんの音。

すっごい音したんだけど。

「校長先生ーやっほー
明日宮今日子、問題児です。」

「明日宮!?」

ケロッとした顔で校長室のドアを

思いっきり開けた明日宮が立ってる。

「明日宮さん。
私が呼んだのは尾形先生だけですよ」

「知ってますよー
ま、そんなに固くならないでくださいよ
私が転びそうになった時に
先生が支えてくれただけですよー
教師として生徒が怪我しそうになったのを
助けただけです。」

嘘だ。

俺が暴走して明日宮のこと抱きしめた。

「明日宮さんの言い分は分かりました。」

「じゃあ私出てった方がいいですよねー」

いい意味でも悪い意味でも

教師の大人のことが見えてる。

さらっと出ていった明日宮。

「で、尾形先生。どうなんですか?」

「明日宮が言っていたことに
概ね間違いはありません。

ただ、明日宮は問題児ではありません。
2年間と少しだけしか見ていませんが
彼女は真っ直ぐで真面目な生徒です。」
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