生徒に恋した教師
1人で家事をした。

大変だったけどこの家に誰もいない

という寂しさから逃れられるから

少し忙しいくらいが丁度よかった。

…おかげで私は寂しいという感情を

忘れた。

台風がきて雨と風と雷がひどくて

停電をした時があった。

怖い怖いって泣き叫んだ気がする。

でも誰も帰ってこなかった。

今思えば電車も止まっていたから

両親は帰ってこれなかったんだと

分かるけれど

大人になりきれてなかった私は

怖いと思っても助けを求めても

誰も助けてくれないと勘違いした。

だから怖いなんて感情は

捨ててしまえばいいと思った。

…だから私は怖いという感情を

忘れてしまった。
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