生徒に恋した教師
走る男子生徒に着いていくと、

窓ガラスがバラバラに割れている。

そこに、この前、明日宮をからかっていた

女子生徒が座り込んでいる。

その視線の先には、割れたガラスを握って

その女子生徒にガラスの先を向けている

明日宮がいた。

明日宮の手からはもちろん血がボタボタと

垂れている。

なんでこんなにも落ち着いて

いられるんだろう。

あぁ、そうか。


明日宮の目が本気じゃないからだ。


「おーい。明日宮。何の真似だ?
早くこっちに来い。」

「はーい。」

このマヌケな声と会話で

周りの生徒は驚きを

隠せていない。

「はいはい。血が垂れてるから。
どんだけ強く握ったんだよ。」

「おー血だね」

嬉しそうにするな。

「お前ら。近づくなよ。危ないから。
別の先生すぐ来るからな。」

と他の生徒に指示に出しながら

明日宮の手に自分のハンカチを巻く。
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