生徒に恋した教師
「ここでいいの?私立のほうがいいんじゃない?どうして国公立なの?」

「私立より、ここの国公立のほうが
家から一番近い。
私の将来の夢を叶えるためには、
ここで大丈夫なの。
金銭面でも高いより安いほうがいいでしょ。」

スラスラと説明いてる明日宮を見て

お母さんは楽しそうに見ている。

「あなたがちゃんと考えてるならどこでもいいわよ。」

明日宮のお母さんは明日宮を

試しただけだったみたいだ。

ここまで自由に子供の意見を聞く親は珍しい

だから明日宮はのびのびと

やっていけるんだろう。

「先生、宜しくお願いします。」

「こちらこそです。」

笑った明日宮のお母さんの顔はとても

穏やかだった。

そして、クラスで最短の時間で三者面談が

終わった。

帰っていく明日宮は久しぶりに会えた母親と

楽しそうに会話をしていた。

思ったより暖かい家庭だったみたいだ。

「よかった。」

不意に声が漏れてしまった。

周りに誰もいなくてよかった。
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