生徒に恋した教師
「ってか、教室明日宮だけかよ」

「みんな塾とか行ってるからね」

「そっか
じゃあ、頑張ってる明日宮に差し入れだ」

「え、ほんとに買ってきてくれたの?」

「お前だろそー言ったのは」

俺をじーっと見てびっくりしてる明日宮。

そんなに驚くか?

「しかも、そのクッキー。」

「お前の好きなものってこれしか
思い浮かばなかったんだよ。」

「覚えててくれただけ嬉しい嬉しい。」

「お前のことについて
唯一知ってる事だからな。」

クッキーを受け取ると嬉しそうに

箱を見続けてる。

明日宮、幸せそうだな。

…次、またその表情を見るのは

いつになるんだろう。

その理由はなんなんだろう。

その時俺は明日宮の近くにいれるだろうか。

あぁ、もう明日宮とこうやって

顔を合わせられるのもあと…


────…半年を切った。

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