社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
ワインボトルに伸ばした手を掴まれ、健人さんを見上げる。



「悪い、今日は記憶なくして欲しくない。」


「えっ?そんなに飲ま………。」



健人さんの唇が触れ、私の言葉は飲み込まれた。


優しく触れる唇に目を閉じた。


健人さんの手が私を抱き寄せる。私も健人さんの首に腕を回した。



「花菜、抱いていい?」


「…………はい。」



立ち上がる健人さんに手を引かれる。



「でもお風呂に入りたい。」


「いい。」


「いやいや、お風呂に……。」



健人さんの唇が触れ、私の言葉は再度飲み込まれた。



「ごめん、待てない。」



健人さんが私の手を引き、いつも二人で寝ている寝室に向かう。


心臓が激しく高鳴っていくのがわかる。



「緊張します。」


「大丈夫、俺もだから。」



照れ笑いする健人さんに自然と笑みが溢れる。
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