社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「だって社長は俺達より10コ上なんだし。結婚とか考える年なのかな?って。」


「私も聞きたい!」


「長谷川さんは?彼女と結婚とか考えてるんですか?」



お酒の入った同期が二人に質問攻めをしている。


我に返った私はテーブルに身を乗り出した。



「ちょっと。そういう事は聞かない。」


「なんでよ?社長も長谷川さんも結婚とか考える年でしょ。」


「プライベートな話だし。」


「俺は聞きたい。社長は結婚とか考えてるのか?」


「奥寺。」


「別れたら俺と付き合ってね。」


「奥寺。」



隣に座る奥寺が私の声を無視してビールを飲む。奥寺の腕を掴もうと手を伸ばしたが……。


反対側に座る社長にその手を掴まれた。


驚きに社長を見上げた。



「別れたら?それはないから。」


「しゃ……ちょう………?」



社長の言葉に目を見開いた。



「奥寺、その仮定はない。」



ハッキリと言い切る社長に息を呑んだ。
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