社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編

会えない日々

「いってきます!」



元気よく健人さんに挨拶をして、健人さんと過ごしたマンションから出掛けた。


新幹線ホームまで送るという健人さんを説得し、一人で長野さんと待ち合わせするホームに向かう。



「長嶺。」



長野さんの声に後ろを振り向いた。スーツ姿の長野さんが小走りに駆け寄ってくる。



「長嶺、忘れ物ないか?」


「平気です。長野さんは?着替えとか……。」


「鞄に入ってる。基本は長嶺が主だから。」


「うっ、緊張します。」


「しとけ。」



いつもの長野さんだと思ったが………。



「金曜は驚いた。荷物を取りに戻ったら……。」


「ちょっと長野さん。」


「驚くだろ?」



私は真っ赤になるのを感じる。長野さんがニヤニヤとしている。



「二人だと会社でもか?」


「…………。」


「キスとかするなよ、会社で。」



「………。」



恥ずかしくて仕方ない。


金曜は深夜まで仕事をしていて二人っきりだと思っていたら………長野さんが忘れ物を取りに戻ってきた。
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