社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「長嶺?」


「えっ?」



奥寺の声に我に返った。周りを見渡せば、同期の顔が私をじっと見ている。



「花菜、大丈夫?」


「あっ、うん。さすがに別れたのは堪えたかな?」


「じゃあ合コンする?メンバーを集めるよ?」


「ははっ、次、誰かと付き合っても仕事で会えなくて嫌がられるよ、きっと。」


「かもね。」



あゆみが私の頭を撫でた。



「花菜、元気出しなよ。」


「うん。」


「よし、同期で飲みに行くか?計画しとく。」


「藤村、いいね。」



落ち込んでいた雰囲気が明るくなっていく。私は皆に微笑んだ。



「ありがとう。これからは仕事に生きるから!」


「マジか!長嶺、ライバルだな。」



佐藤の言葉に笑った。同期の皆に元気付けられ、私達は午後の仕事に戻っていく。



席に着けば、また仕事が山のようにある。私は気合いを入れ、仕事に取り掛かった。
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