社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『仕事は終わった?』



ホテルの部屋でベッドに寝転んで携帯を手に取った。


すでに時刻は23時を回っている。


飲み会からホテルへ、そしてホテルの部屋での片付け、その後シャワーを浴びてから気づいた。


メッセージが入っていたのは3時間前。



『ごめんなさい。今、気づきました。』


『もう寝る用意をしたところ。』



続けてメッセージを送れば、すぐに既読になった。



ピロピロ………。



携帯に着信が入り通話を押した。



「花菜?」


「健人さん、ごめんなさい。気づかなくて。」


「忙しかった?遅くまでお疲れ。」


「…………いえ。飲み会に参加してたので。」


「…………。」


「ごめんなさい。本当に気づかなくて。」



健人さんの沈黙が流れた。



怒ってるのかな?



「あの………健人さん………?」


「………。」


「協力会社の人達と懇親会を含めた飲み会に。」


「…………手とか出されてない?」
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