社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『お昼は?』


『皆で食堂で食べました』



皆で?



『男?』


『私以外は男しかいません』


『近づきすぎるなよ』


『大丈夫、また夜に連絡します』



昼休みにメッセージを送れば、直ぐに花菜からの返事は来る。



「金曜ね………。」



頭をフル回転させ、今週の仕事を頭の中で整理する。


内線に手を伸ばす。



「はい、社長。」


「冬馬、金曜の夜の新幹線チケットの手配を頼む。」


「…………仕事は?」


「終わらせる。」


「…………何時?」



冬馬から敬語が抜けた。呆れているのが伝わってくる。



「20時には到着したい。」


「はいはい。宿は?」


「…………俺が予約する。」




冬馬の言葉に宿が必要だと思い出し、花菜と泊まれる事に顔がニヤニヤとしてしまう。
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