社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「そうかもしれないが。」


「長嶺さんも酔いたい気分もあったんだろう?だから……あんなに酔い潰れたんだろ。」


「………目の前で酔い潰れる姿を見たからか?余計に不安なんだ。」



俺の小さな呟きが静かな部屋に流れ、視線を机の上に落とした。


冬馬の足音が俺の机の前で止まり、冬馬に視線を向けた。



「健人が仕掛けた罠が健人自信を苦しめる羽目になるとは。」


「ああ。」


「今の長嶺さんなら酔い潰れないんじゃない?」


「そんな事はわか………。」


「わかるだろ。今の長嶺さんは幸せじゃないのか?不安なんてない、それぐらい健人が包み込んでやってるだろ?」



ニヤリとする冬馬の顔を見つめる。



「それとも不安にさせてる?健人は愛した女を不安にさせてる?」


「ふっ、俺に言ってんのか?」


「自信を持てよ。長嶺さんだって馬鹿じゃない。同じ過ちは繰り返さないよ。」


「ああ。」



冬馬と同じようにニヤリとした。
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