社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
奥にある部屋に敷かれた二つ並んだ布団が目に入り、そのまま布団に倒れ込む。



「眠い……。」



私はそのまま目を閉じた。



「花菜。」


「ん?」



目を閉じたまま、耳元で囁く健人さんに返事をした。


頬を撫でる手に擦り寄る。



「花菜、着替えないのか?」


「眠い………。」


「来て正解だった。酔い潰れてただろ?」


「ふふっ、健人さんの顔を見たら、安心して飲み過ぎただけ。」


「安心?」


「健人さんに久し振りに会えて嬉しかった。」



酔いのせいか………普段は言えないような言葉も言える。


黙り込む健人さんにクスリと笑った。きっと驚いているに違いない。



「健人さんに会えて嬉しかった。」


「花菜、俺も。」



健人さんの唇が頬に優しく触れ、私は自然と微笑んでいた。



「花菜、俺も会いたかった。」


「ふふっ、私も。」



私を抱き締める健人さんの腰に腕を回して抱きついた。
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