社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「ちょっと健人さん?」


「花菜、ヤバイ。」


「ちょっとダメです。とりあえずお風呂に………。」


「花菜、駄目?」


「駄目です。」



健人さんの唇が私の首を這っていく。



「ちょっと健人さん、本当に駄目。」


「後ならいい?」


「えっ?あっ、うん。」



焦った私は思わず頷いたが、健人さんのクスリと笑う声が聞こえた気がした。



「花菜、後でな。」



健人さんが離れていくが、私の鼓動は激しく鳴っている。


急いでシャワーで体を洗い、檜の湯槽に浸かる。健人さんも浸かれば、温かい温泉に二人でゆっくりとしていた。



「花菜、やっと一緒にいられる。」


「ふふっ、一週間しか経ってない。」


「俺は寂しかった。花菜は?」



背後にいる健人さんを見上げる。



「寂しかったです。でも初めての作業に充実感はありました。」


「花菜、お疲れ。」


「ふふっ、健人さんも毎日お疲れ様です。」
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