社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
温泉から上がり部屋で寛ぐ。


朝食も部屋でゆっくりと食べ、食べた後ものんびりと過ごす。



「二ノ宮様、可愛らしいお嬢様ですね。」


「女将、これからも連れてくるから。」


「楽しみにしてますよ、二ノ宮様。」



女将が嬉しそうに微笑む。



「初めてですものね。二ノ宮様が女性と二人でいらっしゃるのは。」



女将の言葉に健人さんを見上げれば、『本当だろ?』って言いたそうに私を見下ろしていた。


女将の言葉は凄く嬉しかった。なんか健人さんの知り合いに紹介してもらったみたいで。



そう言えば、健人さんの知り合いにあった事ってないな…………。



ふと頭の中で考えてみた。長谷川さん以外に健人さんの知り合いは知らない。



「花菜?」


「ん?」


「何を考えてた?」


「ん?…………幸せだなって。」



健人さんを見上げて微笑んだ。これは本心だ。



「健人さん、私は幸せだよ。」


「花菜、もっと幸せにしてやる。」


「ふふっ、ありがとう。」



健人さんの顔が近づいてくるのを感じ、私はそっと目を閉じた。
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