社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
ふと疑問を聞いてみた。



「長谷川さんは結婚されてます?」


「いや。なんか仕事、仕事でね?」


「私もです。仕事、仕事で……最近、遠距離の彼に飽きられてしまいました。」



長谷川さんの驚いた顔に私は苦笑いした。



「これからは仕事に生きますから!」


「ははっ、頼もしい。頑張ってね?」


「はい。」



私は長谷川さんと雑談しながら、今週の金曜日に行う親睦会のお店を決めていく。


一人では悩む事も長谷川さんがサクサクと決めてくれてスムーズに終わっていく。



「長谷川さん、本当に頼りになりますね。」


「ははっ、嬉しいね。長嶺さんも忙しいのにゴメンね?」


「いえいえ、長谷川さん程では………。」



長谷川さんとクスクスと笑っていれば、背後から聞こえてきた声に肩が揺れた。



「冬馬、楽しそうだな?」



振り返れば、社長が長谷川さんをじっと見ていた。私は席を立ち上がり頭を下げた。
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