社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
体を這う手の動きが止まらない。



「花菜、後悔しろ。二度と俺を置いて朝帰りするな。」



「ちょっと止めて。」


「奥寺に触られてないか?」


「二人じゃないって言ってる………。」



塞がれた口に言葉は呑み込まれた。健人さんの激しいキスに息が上がる。



「ちょっと……待って………。」


「待たない。」



今までになく強引な健人さんに体の力が抜けていく。上がる息に追い討ちを掛けるキス。



「逃がさない。」



健人さんの手が私を追い詰めていく。頭が真っ白になっていく―――――。



「花菜、逃がさない。」


「………ッ…………。」


「奥寺なんかに渡すか。俺だけの女だ。」



真っ白になる頭に摺り込まれるように囁かれる言葉。


激しく抱く健人さんに身体を委ねるしかなかった。



「愛してる、花菜。」



囁かれる甘い言葉に麻痺していく。強く抱き締められた温もりに夢の中に落ちていった。
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