社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
二人で
健人さんのマンションに二人で戻ってきた。


明日は会社だが、今日は二人で過ごしたい気分だった。


出掛けた時間が遅かったせいか、外は夜の闇に包まれていた。


部屋から見える夜景を眺めながら健人さんとワインを開ける。




「花菜、いつ引っ越してくる?」


「ん?まだ決めてない。今のプロジェクトが終わったらかな。」


「待てない。身の回りの物だけ持って、家から会社に通えばいい。」


「そういう訳には………。」


「通えるだろ。来年には結婚するし。」



健人さんが肩を抱き寄せるので、肩に凭れ掛かった。


甘い雰囲気が部屋を包み込んでいる。



「花菜と結婚か。」



染々と呟く健人さんを見上げる。



「後悔してる?」


「はあ?違う。花菜と一緒に暮らせる事を噛み締めてた。」


「今も一緒にいるよ。」


「ずっとずっと一緒にいられる。」


「飽きられないように努力しないと。」


「俺も。」



お互いに目を見合わせれば、クスクスと笑いが漏れた。
< 205 / 240 >

この作品をシェア

pagetop