社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「ほら用意して。」


「あっ、うん。」



急いでシャワーに向かう。



でも全然嫌じゃない。



健人さんの行動には驚いたけど、嫌じゃないと思っている。逆に笑みが溢れる。



「そんなに好きなんだ。」



ポロリと漏れた言葉に返事が返ってくる。



「違う、愛してる。花菜は?」



振り向けば健人さんが立っていた。じっと見下ろす健人さんの唇にキスをした。



「私も。好きじゃなくて………愛してます。」



恥ずかしさに言い捨てして洗面所に逃げ込む。



「花菜、覚えてるか?」


「ん?」



閉めた扉の外から聞こえてくる言葉に返事をする。



「『花菜が好きになったらキスしよう』って言ったの。」


「…………言ってたかも。」


「俺、凄く幸せかも。花菜からキスしてくれるなんて。花菜は?」


「私も幸せだよ。」



ガチャ。



扉の開く音に振り返ろうとするが、その前に背後から抱き締められた。
< 215 / 240 >

この作品をシェア

pagetop