社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
私は仕方なく上座に向かい、長谷川さんが座っていた席に着いた。



「えっと………。」


「長嶺と申します。まだまだ社外の方とは接する機会がありませんが、今後は宜しくお願いします。」



私はお辞儀をして挨拶をした。頭を撫でる手に隣を見上げた。


社長が優しい目で私を見下ろしている。



「長嶺はまだまだ若いですが頑張り屋なので。あの坂本が指導してます。」


「坂本さんが。長嶺さん、頑張って。」


「はい。」



私は外部の方々と挨拶を交わしていく。隣には社長が私のフォローをしてくれている。


安心して初めて会う方々と話が出来ていた。



「長嶺さんは飲める?」


「適度に。それほど強くは………。」


「なら、注文して飲むよ。ほら、何がいい?」



年配の方が私にお酒を進める。私も仕事だと思い、ついつい頼んで飲んでいく。



「いいね~、長嶺さん。今度は二人で。」


「ははっ、またまた~。」



陽気になっていく自分がいた。
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