社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
一人で夜道を帰っていれば、なんだか寂しい。


ここ何ヵ月と健人さんと一緒に帰っていたからだ。



「はぁ~。」



大きな溜め息が静かな夜道に小さく聞こえる。


ふとマンションを見上げれば、マンションの部屋の灯りが点いているのに気付いた。


思わず笑みが溢れ、足取りも軽くなる。急いで健人と暮らす部屋に帰る。



「ただいま。健人、いるの?」


「おかえり。」



やっぱり健人がいた。テーブルには夜ご飯が並べられていて美味しそうな臭いがする。



「嘘、作ってくれたの?」


「花菜、最近、忙しくて栄養が偏ってるだろうから。」


「健人も疲れてるでしょ?」


「俺は大丈夫。ほら、一緒に食べよ。」



健人がキッチンに入っていく。


私は手を洗い、ダイニングテーブルに腰掛けた。目の前のテーブルには美味しそうな料理が並ぶ。



「花菜、食べよ。」


「うん。」



健人と二人で向き合ってご飯を食べ始める。
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