社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
忙しい時は時が経つのが早い。


あっという間にランチの時間だ。いつもの同期メンバーで食べる。



「花菜、なんか………元気ない?」


「そうかな?」


「社長と上手くいってないとか?」


「…………そうでもない。」


「何よ、その間。」



あゆみと会話をしていく。



「あれだろ?昨日、俺が言ったからか?」


「奥寺、何を言ったのよ。」



あゆみと奥寺の会話をボーッと聞いた。



「ほら、最近、社長と一緒に帰ってないから。釣った魚に餌をやらないって話。」


「釣った魚?」


「優しくしなくても俺のモノって事。」


「奥寺って、そんな感じで女と付き合う訳?」


「俺は違う。例えばの話。」



二人の会話を聞きながら大きな溜め息を吐いた。



「違うの。釣った魚に餌をやらない―――じゃなくて、女子力低下で愛情が薄れてるだけかも。」



私の言葉に静まり返る同期メンバー。もう一度、大きな溜め息が漏れた。
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