社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
私はプロジェクトメンバーの集まる席に着くと、前に座る一年先輩の長野さんが溜め息を溢している。



「長嶺、飲みすぎ。」


「ええ~、長野さんは?飲んでます?」


「飲んでる。」



ビールを片手で持ち上げてアピールしている。私はお酒を飲もうとしたがない。



「あれ?私のは?」


「はい、烏龍茶。」



清水さんに置かれたのは烏龍茶。私は仕方なく烏龍茶を飲む。



「では時間が迫っていますので、本日はこれでお開きにしようと思います。」



長谷川さんの言葉にガヤガヤしていた座敷が静かになる。


隣の社長が立ち上がり、最後の挨拶を始めた。



「本日はありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。」



周りから拍手が起こる。各々が荷物を持ち、席を立ち上がり始めた。



私は幹事と言うこともあり、最後まで皆さんを見送る。


プロジェクトメンバーが出て行くと座敷には誰もいなくなった。
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