社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「長谷川さん?」


「ん?じゃあ行こう。」



何でもない様子で長谷川さんが歩き始めた。私はその後ろ姿をじっと見つめた。



「長嶺、行くぞ。」


「あっ、はい。」



社長の言葉に私は社長と並んで長谷川さんの後を追った。


3人で入ったお店は何とも大人な雰囲気のbarだ。


高級ホテルの最上階にある夜景の綺麗な場所だ。



「凄い。」



私から漏れた言葉に社長が手を引き、ソファーに導いてくれる。


前のソファーには長谷川さんが座る。



「何か飲む?長嶺さんはソフトドリンクにしとく?」



長谷川さんの提案に横に大きく首を振った。



こんな素敵なbarでソフトドリンク?


あり得ない!



「いえ、カクテルを。お薦めはありますか?」


「あるよ。健人、選んであげたら?」



チラリと隣に座る社長を見上げる。



「ああ。長嶺、何でも平気か?」


「はい。」


「そうか?」


僅かに口角を上げたように見えたが、気のせいだと思い私は頷いた。


3人で色んな話をしながら………美味しいカクテルを何杯か飲んでいた。
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