社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
次の週には私と社長の噂が社内に広まっていた。



『聞いた?社長と付き合ってるらしいよ。』


『普通な感じ?』


『入社3年目だって。社長とは随分と離れてない?』



聞こえてくる噂に頭が痛い。社内を歩けば、当然視線も突き刺さる。



「はあ。」


「幸せが逃げるわよ。」


「清水さん………。」


「長嶺も随分といい男を捕まえたな。」


「長野さん………。」



自席で大きな溜め息を吐けば、隣の清水さん、前に座る長野さんから反応される。



「社長の彼女でも厳しくいくからな。」


「坂本さん………。」



背後から聞こえた声に振り向けば、坂本さんが立っていた。



「長嶺、俺も。今までとは変わらないから。」


「そうそう。まだ3年目なんだし、働きなさい。」



坂本さん、長野さん、清水さんの言葉に気持ちが上昇する。



「長嶺、レビューに行くぞ。」


「はい。」



変わらない坂本さんに頷いた。
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