社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
奥寺を見つめる。じっと私を見つめる瞳は真っ直ぐに私を見つめている。



「奥寺。花菜は社長が好きだよ。」


「あゆみ?」


「花菜は社長が好きだよね?この前の二人は恋人って感じしたよ?」



あゆみの言葉に私自身に投げ掛ける。



『社長を好き?』



「花菜は社長が好きだよ。見てれば分かる。」



あゆみを見れば、にっこりと微笑んでいる。その隣の葵を見た。



「私も恋人に見えたよ。なんかラブラブって感じの。」


「そうだな。長嶺、噂は気にするな。あんないい男と別れるなんて勿体無いだろ。」



藤村を見れば、ニヤニヤと私を見ている。藤村は隣にいた奥寺の肩を叩いた。



「奥寺も心配で言っただけだ。あんまり溜め息ばっか吐くから。なっ?」


「………そうかもな。長嶺が溜め息ばっか吐くから心配した。」


「奥寺………。」


「社長の気持ちはハッキリしてるよ。」



奥寺の言葉に大きく頷いた。



社長は私を好きでいてくれてる。



いつも言葉で伝えてくれている。
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