社長の甘い罠～いつしか当たり前に～ ＋ 番外編
エレベーター待ちをしていた私に聞こえてきた声にチラリと視線を向けた。


違う部署なのか私の知らない女子社員の噂が聞こえてくる。



「社長と一緒にランチはしないのね。」


「それだけって事？」


「話も合わなさそうだし。」



同期の皆も噂が聞こえたのか、女子社員に振り返る。



「今、何か聞こえたけど？」



藤村が女子社員に向けて話し掛けた。


だけど女子社員も数人でいるせいか気持ちが大きくなっているようだ。



「長嶺さんって彼女でしょ？ランチは同期と食べてるんだなって。」


「駄目なのかよ。」


「普通、カレカノなら一緒にいたいのかな？って。」



藤村が何かを言い返そうとしたが口を閉ざした。


女子社員の後ろに見えた人達に気付いたからだ。



「一緒にランチにも行かない二人なら先は見えてるって感じ？」


「かも。」



笑う女子社員の後ろに二人が立った。
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