社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「それって俺と長嶺の話?」



女子社員が勢いよく振り向けば、社長と長谷川さんを見上げて動かなくなった。



「俺と長嶺の話?先が見えてるって?」


「どうしたの?社長には言えなくて、長嶺さんには言えるの?それってどうなの?」



長谷川さんも社長に続いて固まる彼女達に話し掛けている。


一人の女子社員が我に返り、焦った声を上げた。



「いえ、ただ私達はランチにも一緒に行かないのが不思議で………。」


「そうです。付き合ってるなら一緒にランチに行くものかと。」



慌てて話す彼女達に社長が微笑んだ。また彼女達が動きを止めた。



「勿論、一緒にランチには行きたいよ。だけど長嶺は同期も大切にしてるから。」


「私だったら社長を優先………。」


「俺は長嶺と付き合ってるから。長嶺の意見も尊重するし、長嶺の気持ちは大切にしたい。」


「…………。」


「それに会社とプライベートは別だから。会社でイチャつかれるのは嫌でしょ。」
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