社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「えっ?出社?何時?」


「花菜、慌てすぎ。」


「あれ?何で健人さんと?」



ふと疑問を口にした。昨日、いや今朝は別々に寝たはずなのに。



「寒いから一緒に寝た。花菜、動かしても起きないし、そのまま寝た。」


「いや、他の人に見られたら。」


「冬馬に早めに来るように言っておいたから大丈夫だ。」



私は長谷川さんに頭を下げた。



「長谷川さん、すみません。」


「気にしないで。それより二人とも起きて。」


「あっ、はい。」



慌てて健人さんを跨いでソファーから下りた。



「花菜、慌てすぎ。」


「だって。」


「いい眺めだったけど。」


「なっ。」



「健人も起きろ。ほら、シャツの替えとかあるだろ?着替えろ。」



長谷川さんが社長室を出ていく。すぐに戻ってきた長谷川さんの手には紙袋が。



「朝ご飯。俺の好みで買ってきたけど。」


「冬馬、悪いな。」


「健人、貸しだ。」



ニヤリとする長谷川さんを見つめた。
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