社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「合コン………。」



私の小さな呟きに、隣にいたあゆみが肩を抱き寄せてきた。



「花菜、久しぶりにどう?」


「久しぶり?」



今度は奥寺が空かさず突っ込む。



「長嶺は彼氏がいただろ?」


「………まあ。でも、あゆみや葵の友達とかだし。」


「ふ~ん、社長に言うぞ。合コンに行きそうだって。」



奥寺が静かに呟いた。私はバッと奥寺に顔を向けた。



「なら、俺らも誘えよ。」


「………それじゃあ、合コンにならない。」



あゆみの呟きが漏れた。



「誘ってみるけど、社長も忙しいから。」


「俺は合わせる。亨、瑛士も合わせるだろ?」


「「もちろん。」」



結局、あゆみの思惑通りにはいかなかった………筈だと思ったが。



「花菜、合コン頼んだわよ。今回は花菜が幹事やりなさい。」



ランチの帰りにコッソリとあゆみに呟かれた。



「長谷川さん、頼んだわよ。」



長谷川さん狙いなのかよ。



私は社長にお願いしてみる事にした。
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