社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
健人さんがフッと微笑んだ。その笑みをじっと見つめる。



「俺は癒されてる。花菜が傍にいてくれれば癒される。」


「だって、私、健人さんに甘えてばかりで何もしてない。」


「それが?ご飯作るのも、お風呂も、家まで送るのも………花菜の為だから気にもならない。」


「そんな付き合いは健人さんにばかり負担に………。」


「花菜の為だから。花菜は『俺の為に弁当を作って?』って言ったら負担になる?疲れる?」



「………ならない。」



健人さんが朝ご飯を食べ始めた。



「そう言うこと。花菜の為だから気にもならない。同じだろ?」


「でも………。」


「当たり前になれ。それで俺から離れなくなればいい。」


「健人さん………。」


「ほら、急ぐぞ。朝ご飯もしっかり食べろ。」


「あっ、うん。」



健人さんに急かされ、朝ご飯を食べ始めた。



『甘えてばかりでいいの?』



私の中で疑問が膨らむ。
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