わたしは一生に一度の恋をしました
真一がそっと唇を噛みしめるのに気付いた。
わたしはここに来てはいけなかったのだと、そのとき悟った。
わたしは頭を下げると、部屋の入り口に立った。わたしは由紀に視線を送ったが、由紀の表情を見て思わず目を逸らした。彼女はわたしを鋭い目つきで睨み付けていた。
彼女は枕元に置いてあった花束手に取り、三島さんに差し出した。そして、枕元にある花瓶を指さした。
「将、このお花を花瓶に生けてきてくれない?」
三島さんは頷くと、花と花瓶を持って部屋を出て行った。三島さんが部屋を出て行って一分ほど経ったときだった。冷たい声が辺りの声を凍り付かせた。
「何しに来たの?」
わたしの腕に鳥肌が立つのが分かった。
「お見舞いにきた」
わたしの声が徐々に小さくなっていった。
「誰のせいでこんなことになったと思っているの?」
「やめろよ」
真一は強い口調で由紀をたしなめた。こんなに強い口調で話す真一をわたしは初めて見た。
だが、由紀は決意を固めたのか、真一の言葉に全く怯む様子はなかった。
由紀は眉間にしわを寄せ、わたしを睨み付ける。初対面でわたしに見せた笑顔とは全く別物だった。
「知っていたわよね? わたしがずっと将のこと好きだったってこと。あなたさえいなければわたしは彼と結婚できたかもしれないのに。少なくとも傍にはいられた。あなたのお母さんがあなたを産まなければよかったのよ。あなたなんていなければよかったのよ。わたし、あなたが将と付き合うなら死んでやるから」
わたしはここに来てはいけなかったのだと、そのとき悟った。
わたしは頭を下げると、部屋の入り口に立った。わたしは由紀に視線を送ったが、由紀の表情を見て思わず目を逸らした。彼女はわたしを鋭い目つきで睨み付けていた。
彼女は枕元に置いてあった花束手に取り、三島さんに差し出した。そして、枕元にある花瓶を指さした。
「将、このお花を花瓶に生けてきてくれない?」
三島さんは頷くと、花と花瓶を持って部屋を出て行った。三島さんが部屋を出て行って一分ほど経ったときだった。冷たい声が辺りの声を凍り付かせた。
「何しに来たの?」
わたしの腕に鳥肌が立つのが分かった。
「お見舞いにきた」
わたしの声が徐々に小さくなっていった。
「誰のせいでこんなことになったと思っているの?」
「やめろよ」
真一は強い口調で由紀をたしなめた。こんなに強い口調で話す真一をわたしは初めて見た。
だが、由紀は決意を固めたのか、真一の言葉に全く怯む様子はなかった。
由紀は眉間にしわを寄せ、わたしを睨み付ける。初対面でわたしに見せた笑顔とは全く別物だった。
「知っていたわよね? わたしがずっと将のこと好きだったってこと。あなたさえいなければわたしは彼と結婚できたかもしれないのに。少なくとも傍にはいられた。あなたのお母さんがあなたを産まなければよかったのよ。あなたなんていなければよかったのよ。わたし、あなたが将と付き合うなら死んでやるから」